8月10日(月) お花情報(北地区自然共生園)
2020年8月10日
8月10日(月)お花情報(北地区自然共生園)
昨日まで雨でしたが、本日は晴れて気温もグッと高くなりましたね。
かつて里地には、草を採るための茅場がありました。
お盆の頃は花野の草原となり、そこに咲く色とりどりの野の花を、お盆に飾る盆花に使いました。
川崎町でも、昔は、茅場に盆花を採りに行ったそうで、オミナエシは仙台に売りに出すほどでした。
共生園の花野の草原も、町内の茅場跡に僅かに残っていたオミナエシやキキョウ等、たくさんの野草のタネを集めて育て復元しました。
それらの盆花が見頃を迎え、一番華やかな時期となっています。
【湿性花園】
湿地に咲くミソハギはお盆の禊に使う地域も多く、水田の一画で育てられることもあります。
お盆の迎え火をたく前に、この花で周囲に水をまく風習も全国にあります。
共生園のミソハギは、東北地方や北海道に多いエゾミソハギという種類です。
コバギボウシも楚々と咲き始めました。
【展望野草園】
地元のお婆さんに昔のこのあたりの様子を聞くと、茅場にはいろいろな花がたくさんあり、盆花採りにいくのが楽しみだったそうです。
お爺さんは、採りに行けと言われたものの、どこに咲いているのか分からず、さがしまわって大変だったとか。
展望野草園のオミナエシは、かつての野辺のように咲き誇り、見頃を迎えています。
キキョウは盛りを過ぎましたが、オミナエシと一緒に咲く姿が楽しめます。
ベルのようなフクシマシャジンも満開です。
虫の羽音に花を震わせるツリガネニンジン。
ヒメシオン。山形県では絶滅危惧Ⅰ類です。
雄しべが長く繊細な花のアキカラマツ。
コオニユリもまだ咲き続けています。
イブキボウフウとコオニユリ。
クルマバナ。
ユウガギク。
コオニユリを背景にワレモコウが咲き始めました。
ナガコガネグモ。
岩手県や宮城県の一部では、このクモで相撲をやったそうですが、見かけよりおとなしいクモです。
【崖線樹林】
崖線樹林の水辺ではキツネノカミソリがひっそりと咲いています。
葉は春期のみで、お盆の時期に花だけ咲かせます。
同じ仲間のヒガンバナは、花が終わった後に葉を出します。
デッキからは、フシグロセンノウが点々と斜面で咲いているのが望めます。
【コナラ林】
長雨の日照不足のためか、コナラ林では秋の花がもう咲き始めています。
ヤマジノホトトギスもその一つで、しばしば、花にはアシグロツユムシの子どもが止まっています。
この花には雄しべが見当たりません。この子がかじってしまったようです。
ご先祖様が盆花に乗ってやってくる「盆花迎え」という風習もあります。
華やかで清楚な盆花が咲く野辺の花野で、お盆のひとときを過ごしてみませんか。
皆さまのご来園をお待ちしております。
※写真は全て8月9日(日)に撮影したものです。