ふるさと村
東北6県の特徴ある歴史、風土、伝統、文化を紹介する古民家が大集合!ふるさと村は、風土と歴史に培われた、みちのくの暮らしの文化を伝える古い茅葺の民家を移築したエリアです。それぞれの民家では、映像や模型、展示物を使ってくらしの知恵を楽しく、見やすく、わかりやすく紹介しています。古民家を利用して体験学習もできます。
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津軽の家
この家が建っていた弘前市種市は、津軽平野の南端にあって、冬には強い風と雪が吹き付けるきびしい気候で、豪雪地帯です。米作りとともにリンゴ栽培も盛んに行われています。
この家に住んでいた奈良さん一家もリンゴ栽培の仕事をしていました。
この家は「内馬屋式直屋(うちうまやしきすごや)と呼ばれるもので、長方形の平面をしていて、馬屋が家の中にあります。土間の前と座敷の前に2カ所の大きな出しひさしがあって、雪が降り積もる時期にも家への出入りがしやすいようになっています。
出しひさしは、この地方では「しらし」や「ひやし」などと呼ばれています。ひさしのなまりのようです。
また、家の下に石積みがあるのは、家の脇を流れていた岩木川の氾濫に備えて土台を高くしていたのを再現した物です。■展示テーマ 〈まつり〉
東北には、いろいろなお祭りがあります。祭りは、生きていることの喜び、幸をもたらしてくれた自然への感謝、家族が健康にくらせるようにという願いなど、さまざまな気持ちが形になったものです。この施設の詳細 元の所在地 青森県弘前市大字種市(あおもりけんひろさきしおおあざたねいち) 建築年代 19世紀半ば過ぎ 規模 179㎡(54坪) 形式 内馬屋式直屋(うちうまやしきすごや) 寄贈者 奈良哲夫(ならてつお)さん 復元工事 平成12年 -
遠野の家
この家が建っていた遠野市小友の山間の集落は、耕地がせまく、馬の生産がさかんに行われていた地域でした。
この家に住んでいた菊池さん一家も、農業をしながら馬の生産も行っていました。
この家の形は、「南部曲り屋」 (なんぶまがりや)と呼ばれるもので、主屋の土間の前に馬屋を突き出したLの字型となっていて、そのすみに出入口があります。
「曲り屋」では、人と馬が家の中で顔を合わせながら暮らしていました。
この家の馬屋はとても広く、納屋まで使えば最大で馬7頭ほど飼うことができました。
遠野の家では、語り手による遠野地方の民話や東北地方の昔話を囲炉裏を囲みながら聞くことが出来る「みちのく民話がたり」を開催しています。■展示テーマ 〈伝承〉
ずっと昔から語りつがれてきたお話があります。怖い話、楽しい話、思わず笑ってしまう話。そのお話は自然を愛し、大切にし、敬い、そしてときにはおそれた、人々の心が生み出したものなのです。この施設の詳細 元の所在地 岩手県遠野市小友町(いわてけんとおのしおともちょう) 建築年代 主棟は19世紀半ば 規模 347㎡(105坪) 形式 南部曲り屋(なんぶまがりや) 寄贈者 菊池一二(きくちかずじ)さん 復元工事 平成9年 -
本荘由利の家
この家が建っていた由利本荘市大内町の牛寺は、秋田県南部の本荘平野にあり、日本海に注ぐ子吉川の支流の赤田川沿いにあります。この地域は、耕地はあまり多くはありませんが、林業や牧畜に適していました。冬は雪が多く、寒さのきびしい地域でもあります。 この家に住んでいた吉尾さん一家は、農業や林業を営み、多くの使用人を置いて、田畑の耕作の他に、販売する馬の飼育や林業・養蚕なども手広く営んでいました。 この家の形は、「両中門造り」 (りょうちゅうもんづくり)と呼ばれるもので、主屋の両側に二つの出入口を突き出しています。馬屋のある出入口は、家の人や使用人が使っていました。もうひとつの出入口はお客様をお迎えするための特別の玄関でした。
本荘由利の家では、「こんにゃく作り体験」・「そば打ち体験」など食に関するイベントや昔懐かしい遊びを教わりながら楽しむことができる「昔遊び体験」を開催しています。■展示テーマ 〈食〉
自然の恵みは、その厳しさをも東北にもたらしました。そんな中、昔の人々はどんな食事をしていたのでしょう。冷蔵庫も電子レンジもなかった時代、東北では、雪に閉ざされた冬を乗り越えるために、食べ物の保存や料理の方法にたくさんの知恵が生まれました。この施設の詳細 元の所在地 秋田県由利本荘市(旧大内町)牛寺(あきたけんゆりほんじょうしうしでら) 建築年代 19世紀末 規模 427㎡(118坪) 形式 両中門造り(りょうちゅうもんづくり) 寄贈者 吉尾照彦(よしおてるひこ)さん 復元工事 平成14年 -
鳴瀬川河畔の家
この家が建っていた色麻町四釜は、鳴瀬川中流域の平野部にあり、たくさんの水田があります。また、米作りとともに養蚕もさかんに行われていました。
この家に住んでいた菅原さん一家も農業をしながら、たくさんのカイコを飼っていました。
この家の形は、「中二階式養蚕家屋」 (ちゅうにかいしきようさんかおく)と呼ばれるもので、養蚕と水害にも備えた軒の高い総二階式になっています。養蚕の季節には、一階、二階ともにほとんどの部屋でカイコを飼っていました。
鳴瀬川は、大雨による氾濫が多く、この家も過去に4回もの氾濫に遭いました。この家では水害に備えて二階の床板の一部分を釘で固定せず、床板をはずして家具や食料を二階に上げられる工夫がされています。避難船や櫂も備えられています。■展示テーマ 〈すまい〉
昔の家は、木・土・カヤなど自然にあるものを、じょうずに使って建てられていました。 だから、昔の人たちは自然を大切にしていました。
自然とともにくらすための知恵が、民家の中にはぎっしりとつまっているのです。この施設の詳細 元の所在地 宮城県加美郡色麻町(みやぎけんかみぐんしかまちょう) 建築年代 19世紀末 規模 433㎡(131坪) 形式 中二階式養蚕家屋(ちゅうにかいしきようさんかおく) 寄贈者 菅原知巳(すがわらともみ)さん 復元工事 平成5年 -
月山山麓の家
この家が建っていた鶴岡市 (旧東田川郡朝日村)砂川は、月山のふもとにあり、冬は東北地方でも指折りの豪雪地帯です。
この家に住んでいた伊藤さん一家は、農業をしながら、養蚕を行っていました。
この家の形は、「妻入り式養蚕家屋」 (つまいりしきようさんかおく)と呼ばれるもので、小さな家に見えますが、中は一階、中二階、「ずし」、「上ずし」の4階建てとなっています。中二階から上は、養蚕や収納の場所でした。この家では採光のために2か所に「高はっぽう」 、「はっぽう」と呼ばれる2つの屋根窓があつて、屋根裏で行う養蚕のために採光の役割をしています。家の前にはカイコのエサとなる桑の木が植えてあります。■展示テーマ 〈しごと〉
自然が与えてくれるたくさんの恵みを、じょうずに利用して、人々は暮らしてきました。人々は、くらしを豊かにするために、いろいろなしごとをしてきたのです。この施設の詳細 元の所在地 山形県鶴岡市(旧朝日村)(やまがたけんつるおかし) 建築年代 原型は19世紀半ば 規模 168㎡(51坪) 形式 妻入り式養蚕家屋(つまいりしきようさんかおく) 寄贈者 伊藤重(いとうしげる)さん 復元工事 平成9年 -
南会津の家
この家が建っていた南会津町(旧南郷村)山口は、福島県でも奥会津ともいわれる再奥の地に位置し、その周囲を標高1000M級の高い山々に囲まれている東北地方というより、日本でも有数の豪雪地帯で、昔は冬にはほかの地域との行き来ができなくなることもありました。
この家に住んでいた山本さん一家は、農業をしながら、この地方の木挽き(山の木を切る職人)のまとめ役の一人でもありました。
この家の形は、「馬屋中門造り」 (うまやちゅうもんづくり)と呼ばれるもので、土間の前に馬屋を突き出して、その先に出入口を設けています。雪の時期に、前の道路までの除雪が少なくてすむようにできています。雪がたくさん積もった時に備えて2階にも出入口があります。■展示テーマ 〈民芸〉
お椀やお皿、お盆などの食器から、お風呂まで、くらしに使う道具は、昔はすべて手づくりでした。
その材料としてよく使われたのは木。曲げたり切ったり、彫ったり・・・・・・。長い時間をかけていろいろな技術がくふうされました。この施設の詳細 元の所在地 福島県南会津郡南会津町(旧南郷村)
(ふくしまけんみなみあいづぐんみなみあいづまち)建築年代 19世紀半ば 規模 131㎡(40坪) 形式 馬屋中門造り(うまやちゅうもんづくり) 寄贈者 山本芳美(やまもとよしみ)さん 復元工事 平成12年 -
釜房の家(宮城県)
この家が建っていた川崎町は、東北地方の中では比較的雪が少なく、温暖な気候です。
この家は公園のある釜房ダムによって水没した場所(小野地区)に建っていました。
この家に住んでいた佐藤さん一家から川崎町に寄付され、「川崎町民俗資料家屋」として、2003年まで公開されていました。その後、公園に移築復元されました。
この家の形は、「外馬屋式直屋」 (そとうまやしきすごや) と呼ばれるもので、屋根のこう配はゆるく、土間は比較的狭く、馬屋は主屋の外にありました。この家の馬屋はすでに失われていたため、古い形のまま保存されていた同じ川崎町内の高橋さんの馬屋を移築しました。■展示テーマ 〈くらし〉
釜房ダムができる前、この家に暮らしていた頃の情景を再現しています。展示している民具は地元の方々が使っていたものを寄付していただきました。手にとって、ぬくもりを感じてください。この施設の詳細 元の所在地 宮城県柴田郡川崎町(みやぎけんしばたぐんかわさきまち) 建築年代 母屋:19世紀半ば
馬屋:19世紀後半規模 母屋:148㎡(45坪)
馬屋:48.2㎡(14.4坪)形式 母屋:直屋(すごや)
馬屋:付属屋式(ふぞくやしき)寄贈者 母屋:佐藤良治(さとうりょうじ)さん
馬屋:高橋康一(たかはしこういち)さん復元工事 平成16年 -
長屋門(宮城県)
この門が建っていた大崎市(旧田尻町)諏訪峠は、大崎平野にあって、なだらかな山並みと田園からなる、豊かな自然環境に恵まれた農村地帯です。水が豊富で農地が肥沃な、古くからの米どころです。また、縄文遺跡の宝庫でもあります。
この家に住んでいた武田さん一家は、なだらかな南斜面に敷地をもつ農家で、この門は屋敷の正面入り口に建っていました。
この門は、「長屋門」 (ながやもん) と呼ばれる形の門です。
中央に開き戸のある門があり、その両側に板倉と、土壁づくりの作業小屋が作られています。
また、この門があった場所では、通りから低い土塀で通路が造られていました。現在の門の左側にある土塀は、それを再現した物です。■展示テーマ 〈くらし〉
この門は、お客様をお迎えするふるさと村の門として、ふるさと村に関するさまざまなご案内やご紹介をしています。
ふるさと村の季節の情景や各民家の特徴を美しい映像で紹介しています。この施設の詳細 元の所在地 宮城県大崎市(旧田尻町)(みやぎけんおおさきし) 建築年代 19世紀後半 規模 68.7㎡(18.8坪) 形式 長屋門 寄贈者 竹田完一(たけだかんいち)さん 復元工事 平成16年