- もとの所在地
- 山形県東田川郡朝日村(現在は山形県鶴岡市)
- 建築年代
- 19世紀半ば(江戸時代末期頃)
- 規模
- 床面積1682(51坪)
- 家の形式
- 妻入り式養蚕家屋
- 寄贈者
- 伊藤 重 氏
- 宮城県川崎町有形文化財指定第4号(平成12年指定)
もとの所在地
この家が建っていた旧朝日村は、月山のふもとにあり、冬は東北地方でも指折りの豪雪地帯です。
この家に住んでいた伊藤さん一家は、農業をしながら養蚕を行っていました。
家の特色 ─多層家屋─
小さな家に見えますが、中は一階、中二階、「ずし」、「上ずし」の4階建てとなっています。 中二階から上は、養蚕や収納の場所でした。この家では採光のため「ずし」に2か所、「高はっぽう」と呼ばれる屋根窓があります。この地域の家にある独特のものです。
月山山麓の家 断面図 縮尺1/50
月山山麓の家 一階平面図 縮尺1/40
- にわ(内庭)
- この地方の農家の「にわ」は、冬季や雨の日、夜間などの作業場、収穫物や桑(カイコの飼料)の乾燥場として使われました。
- うまごや(馬小屋)
- 豪雪地帯なので、小さいながらも内うまやが設けられ、馬(あるいは牛)1頭が飼われていました。
- おめえ(御前)
- 炉(いろり)を囲む、家族の日常の部屋で、煮炊きや食事もここで行われました。
- おへや(御部屋)
- 主人夫婦の寝室です。一般に農家の寝室には窓が無く、衣類置き場や寝るだけの場所として使われました。
- かみざしき(上座敷)
- 床の間を備えた正式の客間です。日常的に畳は敷かず、養蚕の場として使われました。
- しもざしき(下座敷)
- 正式に客を迎えるときの「かみざしき」の前室として使われました。日常的に畳は敷かず、養蚕などの作業場や家族の寝室としても使われました。