- もとの所在地
- 福島県南郷村(現在は福島県南会津郡南会津町)
- 建築年代
- 19世紀半ば(江戸時代末期頃)
- 規模
- 床面積131m2(40坪)
- 家の形式
- 馬屋中門造り
- 寄贈者
- 山本 芳美 氏
- 宮城県川崎町有形文化財指定第6号(平成12年指定)
もとの所在地
この家が建っていた旧南郷村は、標高1000m級の高い山々に囲まれている東北地方でも指折りの豪雪地帯で、昔は冬には他の地域との行き来ができなくなることもありました。この家に住んでいた山本さん一家は、農業をしながらこの地方の木挽き(山の木を切る職人)のまとめ役の一人でもありました。
家の特色 ─馬屋中門造り─
この家の形は、「馬屋中門造り」と呼ばれるもので、土間の前に馬屋を突き出して、その先に出入口を設けています。雪の時期に、前の道路までの除雪が少なくてすむようにできています。雪がたくさん積もると、2階から出入りすることもあったそうです。
南会津の家 平面図 縮尺1/40
- うまや(馬屋)
- 土間床に窪みを設け、踏みワラを敷いていました。この地方の「うまや」は屋内に設けられ、積雪の時でも世話がしやすくなっていました。
- いま(居間)
- 煮炊きのための炉(この地方では「ゆるい」と呼ぶ)が設けられ、食事の場所としても使用されました。
- へや(部屋)
- 隠居した老夫婦の寝室でした。「いま」の炉の近くなので、わりあい暖かい場所でした。
- みんじゃ(水屋)
- 食料や食器の洗い場、飲み水の汲み場でした。
- おめい(御前)
- 炉(この地方では「ゆるい」と呼ぶ)を備えた家族の居間であり、日常的な来客の接待にも使いました。
- こざ
- 主人夫婦の寝室で、衣類の収納箪笥なども置いた場所です。
- ざしき(座敷)
- 床の間を備えた正式の客間で、この地方では仏壇もここに造ります。