遠野の家 Tono House

遠野の家

遠野の家
[岩手県]

–旧菊池家住宅–


遠野の家の画像

もとの所在地
岩手県遠野市
建築年代
19世紀半ば(江戸時代末期頃)
規模
347m2(105坪)
家の形式
南部曲り屋
寄贈者
菊池 一二 氏
宮城県川崎町有形文化財指定第3号(平成12年指定)

もとの所在地

この家が建っていた集落は、耕地が狭く、馬の生産がさかんに行われていた地域でした。
この家に住んでいた菊池さん一家も、農業をしながら馬の生産を行っていました。

家の特色 ─曲り屋─

この家の形は、「曲り屋」と呼ばれるもので、主屋の土間の前に馬屋を突き出したLの字型となっていて、その隅に出入口があります。
「曲り屋」では、人と馬が家の中で顔を合わせながらくらしていました。
この家の馬屋はとても広く、馬4 頭以上、「なや」まで使えば最大で7頭ほど飼うことができました。




遠野の家平面図

まや にわ ちゃのま なかま じょい・ねどこ ざしき おくざしき

遠野の家 平面図 縮尺1/60

もとは主屋のとなりに別棟として建てられていましたが、大正時代(1920年頃)の馬屋改築の際、主屋の土間に接続されて「曲り屋」の形になりました。
冬季や雨の日、夜間などの作業場として使われました。大きな「かまど」は、馬の飼料を煮るためのものです。
炉(いろり)は主に煮炊きのためのものでした。また、食事と団らんも、のちにはここで行ったようです。
正式の客は「ちゃのま」で主人とあいさつした後、この「なかま」を通って上手の「ざしき」へと案内されました。 
「じょい」は、日常的な家族の居間として使われました。左右にある3室の「ねどこ」は、主人夫婦や子供たちの寝室でした。
「おくざしき」の前室で、冠婚葬祭の際、正式の客は縁側から上がり、この「ざしき」へと案内されました。
床の間を備えた正式の客間で、冠婚葬祭の際などには正式の客を迎える部屋でした。

建築模型